経営改善の5Sについて(その2)

【連続投稿20日目】

 

では経営視点で5Sを考えたとき、どのような定義になるだろうか。

 

最初は2S、つまり整理・整頓である。通常の5Sでは「いるものと要らないものを分ける。要らないものは捨てる。要るものはすぐに取り出せる状態にする」と定義されており、どうしても物を取り扱うイメージが強い。

 

経営レベルで考えると「外部環境の変化に応じて、経営資源の配分を見直すこと」であり、これこそまさに「選択と集中」となる。経営視点で2Sを捉えたら整理・整頓とは選択と集中にほかならない。

 

さらに、2Sに続いて、清掃・清潔・躾がある。通常、「汚れやごみを無くして職場をきれいにし、3Sを維持し、決められたルールを守る」とそれぞれ定義されている。目線を上げて考えてみると、仕組みを作る・行動し、改善する・つまりPDCAをまわすプロセスを通して部下の人材育成につなげていく、といった一連の経営活動と捉えることができる。

 

このように、事業のリソース配分見直しから人材育成まで、戦略的な思考と行動として捉えることができる。目線の高さを変えるだけで経営レベルでも活用できるのが5Sの本質的な考え方であり、経営視点の5Sと通常の5Sは立場の違いによって見る角度の違いだと言える。