読書脳の見える化体験してみました。

【連続投稿338日目】

 

読書体験を通じておすすめの本を紹介します。といってもただの紹介ではありません。最近「読書マップ」なる手法を使った「読書脳の見える化」に挑戦してみました。

もともとは、岩波書店が店舗用リーフレットとして配布していた「芋づる式!読書MAP」から着想を得ました。この読書MAPは、岩波新書を中心に置いて、内容やタイトルに関連する本を派生させて紹介するものです。例えば「魔女狩り」(森島 恒雄 1970年)を起点にして、「魔女の宅急便」(角野栄子 福音館文庫 2002年)、「魔女の薬箱」(西村佑子 ヤマケイ文庫 2018年)、「動物裁判」(池上俊一 講談社現代新書 1990年)といった書籍が芋づる式につながっています。

それでは、私の「読書脳の見える化」を公開します(図を参照)。まず中心に「レ・ミゼラブル」(ユゴー、永山篤一 角川文庫 2012年)を置きます。私の人生に多大な影響を受けた本であり、真っ先に思い浮かびました。

舞台はフランス革命まっただ中のパリ。革命と言えばやはりこの人。「ナポレオン」(佐藤賢一 集英社 2019年)。3冊で1,500ページを超える大書ですが、読み始めたら止まりません。その人生と同じく、駆け足で走り抜けるように気づいたら読み終わっています。

同時代を描いたのが「二都物語」(ディケンズ 加賀山卓朗 新潮文庫 2014年)。レ・ミゼラブル二都物語が同時並行で進んでいたと思うと胸が躍ります。革命を知ったら、フランスそのものの歴史を知りたくなるものです。「教養としてのフランス史の読み方」(福井憲彦 PHP研究所 2019年)で、荒々しい歴史を堪能できます。

話は変わって、作者から展開してみます。意外ですがユゴーアンデルセンは交流があったと聞きました。アンデルセンは旅好きで、パリに訪れたときに出会ったのでしょう。そこで「アンデルセン童話集」(アンデルセン 大畑末吉 岩波文庫 1984年)。その当時のパリは公衆衛生が整備されておらず、相当汚くて臭い街のため香水が流行っていました。「ある人殺しの物語 香水」(ジュースキント 池内紀 文春文庫 2003年)。日本の平安時代、貴族の間では入浴することが忌み嫌われていたそうです。そのためお香で体臭を消していた、という話を聞いたことがあります。洋の東西を問わず考えることは同じですね。

レ・ミゼラブルからはこのように派生させました。直感を頼りに、頭の中に真っ先に浮かんだ本を結び付けています。さらにここからの展開がまた面白い。その一部をご説明します。

フランス史」からは歴史つながりで「クラシック音楽全史」(松田亜有子 ダイヤモンド社 2018年)。フランスとクラシックがなぜつながったのか?あくまでもタイトルの漢字一字、「史」だけです。クラシックの王様と言えばやはりピアノ。ここも思い込みが強いかもしれません。「ピアニストだって冒険する」(中村紘子 新潮文庫 2019年)。ピアニストの感覚や考えていることがよくわかります。天才と言われる方は突き抜けています。

マネジメントの発明者で経営学者のドラッカーは、青年時代にピアノを習っていました。様々な著書でピアノや音楽にまつわる話が出てきます。「経営者の条件」(ドラッカー 上田惇生 ダイヤモンド社 2006年)は、自己啓発本のバイブルとして常に読み返しています。好みの問題ですが、この本が一冊あれば他の自己啓発本はいらないとまで思っています。その中でも時間管理の項目「優先順位ではなく劣後順位を決める」考えは、様々な場面で使わせてもらっています。そして、時間と言えば「モモ」(ミヒャエル・エンデ 大島かおり 岩波少年文庫 2005年)。働き方改革で時間を生み出す必要に迫られている今こそ、「モモ」で時間についてじっくりと考えてみたいですね。

この「読書脳の見える化」。まだまだ模索中です。他の本を中心に置いたらどうなるのか。同じ「レ・ミゼラブル」でも、時期を変えてみたらまた別の結果が出てきそうです。ただ、本を切り口に「頭の中」が見える化されます。これを複数の人と共有すると新たな気付きが得られると思います。

 
図「読書脳の見える化


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