映画「Fukushima50」を観てきました。

【連続投稿353日目】

 

生々しい記憶がまだ残っている一方で、風化が徐々に進行している。人によっては封じ込めた思いをえぐり取られる気持ちになるかもしれません。それでもこのタイミングだからこそ、直視しなければいけない課題を突き付けられた気がしました。

 

「Fukusima50」。

 

 

原作は、「死の淵を見た男」(門田隆将、PHP、2012年)。

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2011年3月11日、東日本大震災当時福島第一原発の所長だった吉田昌郎氏を中心に、原発事故に立ち向かった現場、東電、日本政府、そして避難した地元住民を描いています。

 

その当時の記憶が鮮明で、多くの方が存命のなか(不幸にも吉田所長は2013年食道がんでお亡くなりになります)ノンフィクション映画を作るのは、作り手の相当の覚悟とさまざまな障害があったのだろうと想像できます。

 

実際に、原発問題は現在進行形です。決して過去の瞬間的な出来事ではありません。最終処理が決まらない汚染土の問題、30~40はかかるだろう廃炉作業。いまだにやまない風評被害

 

それでもこのテーマに真摯に向き合い、完成度の高い映画に仕上げてくれた俳優、スタッフ、関係者の皆様には頭が下がります。

 

冒頭の震災発生と津波のシーン。あまりにもリアルです。その後の東電本店、日本政府の混乱ぶり、それに起因する現場への不都合な介入。漸次的対応。「想定外」のセリフ。

直近のコロナへの対応を見ると、9年たってもその当時の教訓が生かされていないことがよくわかります。

 

これは、見なければいけない映画です。そして一人一人がこの現実に向き合い、風化させないために何ができるのか、しっかりと考えたい。そんな映画です