青森市長と中村哲氏から学ぶ土地の歴史を知る大切さ

【連続投稿359日目】

 

その土地の歴史を知ること。

昨年、青森市長が地域改革を行う際に大切なこととしてお話しされていました。

 

同じ意味の言葉に出会いました。

 

中村哲氏。パキスタンアフガニスタンで長年活動を続けてこられた医師です。

2019年12月、アフガニスタンを車で移動中、何者かに銃撃されて死亡しました。まだ記憶に新しい人もいるかもしれません。

ja.wikipedia.org

 

著書の『アフガニスタンの診療所から』(筑摩書房 ちくまプリマーブックス 1993年 のち文庫 2012年に一旦絶版、2019年急逝に伴い緊急復刊)で、現地の人材育成について語っていました。

「英語は必要最低限だけ使い、原則として国語のペルシア語やパシュデゥ語で通す。(中略)英語は奴隷の言葉である、と誇り高い彼らが漏らすのは決して負け惜しみではない。いささか乱暴でも回り道のようでも、こちらのほうが長続きする」

 

19世紀末、モザイク模様に民族が折り重なっていた地域に、大英帝国がインド防衛のために、南下してくるロシアに対抗してアフガニスタン征服を企てて戦争になりました(英国アフガン戦争)。英国を意味する言葉「アングレーズ」が敵の代名詞として用いられるようになったのがこの頃からだそうです。

 

こうした歴史的な背景を知らないで、英語だけを使って現地の人材育成を行っても心から伝わらないと感じたのでしょう。現地の言葉で伝える。教える側が英語しかわからないなら、ペルシャ語を学んでもらう。

 

現地の言葉で現地に寄り添って心から伝えること。教えるほうも大変だが結果としては持続的に根付いた人材育成が可能になると訴えています。

 

地域支援に携わるものとして、その土地の歴史を学ぶことの大切さを改めて教わりました。