日経新聞 一橋大学教授 楠木健氏のコラムより

【連続投稿406日目】

 

他人と自分を比べない。

 

2020年5月1日(金)日本経済新聞朝刊。一橋大教授 楠木健氏が3日間連載している「コロナ時代の仕事論」、最終回の見出しです。

 

「出る杭は打たれる、世の中そういうこともあるが、出るとか出過ぎるというのは周囲と比較しての差分を問題にしている」

「人はそれぞれ自分の価値基準で生きている。人は人、自分は自分。ほとんどの場合比較には意味がない」

 

そして、

「いろいろな得手不得手の人がいる。そうした人々の相互補完的な関係が仕事を成り立たせている。それが社会の良いところだ」

 

様々な価値観を持つ人が、お互いの良さを認め合い、補完しあいながら仕事を進めていける、そういう大人になろうと主張しています。

 

この連載記事は、3日間とも腑に落ちる内容でしたが、特に最終回は、日頃もとい最近特に思いを強くしている内容でした。

アドラー心理学でいうところの「課題の分離」につながる考え方ですね。

 

一時期批判を浴びたゆとり教育。比較・競争しない風潮が強まりました。あまりにも行き過ぎて、学校の運動会で徒競走を一緒にゴールするといった、不可解なことまで起きていました。

 

「他人と自分を比べない」の本質は、人と競争しないのではなく、様々な価値観を持っている人同士、比較してもしょうがない。お互いを尊重し多様性を受け入れることだと思っています。決して能力を平等にしようということではありません。

 

こうした価値観の転換が、今まさに起こっているのだろうと思います。