【連続投稿462日目】
「私は今まで兄が社長にふさわしいかどうかと考えていました。けれど、これからは兄が社長になれるためにどうするか、と自分は考えることにします」
「他者と働く」(宇田川元一 2019年 News Picsパブリッシング)に紹介されたエピソードです。
父親が一代で立ち上げた同族会社。兄弟でその会社に勤めており、順当にいけば兄が後継者となる。しかし、弟は日頃の兄の働き方に不満を持っており「兄が経営者にふさわしいのか」と考えていました。
弟は、兄の一面しか見ていなかったのです。実際に父親から受ける後継者としてのプレッシャー、後継者としての役割、こうした目に見えないものは、弟はわかっていませんでした。
それを理解した弟は、「今後兄が社長になるために、自分はどうすればよいか」と考えるようになったそうです。
もちろん、話はこんなに単純ではなく色々と紆余曲折や葛藤があったでしょう。しかし一度社長にするために支える、と決めたらこういうことができるのではないか、と前向きな提案が兄弟間で出てくるようになったそうです。
兄が社長にふさわしいのか不満、とはひとつの側面ではあるけども、全てではありません。実際に自分が兄の立場だったらどう思うだろうか、と相手の立場になって考える視点が大切です。
こうした視点を常にできる心の余裕、持っておきたいですね