11代続くまんじゅう屋さんの利他的な経営

【連続投稿488日目】

 

昨日、SHIEN学の話を書きました。認知的偶発性というと大げさかもしれませんが、昨晩似たような事例の話を聞く機会がありました。

 

新潟県のとあるまんじゅう屋さん。30代前半の11代目奮闘記です。

 

東京の会社を辞めて、Uターンしまんじゅう屋さんを承継。そこで見た実家は、まんじゅうを作って販売する、プロダクトアウトのお店だった。まんじゅうでお客様にどうなって欲しいのかが見えなかったそうです。

そこで、ゼロベースで考え直し歴史を紐解いてみたところ、近所のお寺に参拝する参拝客をもてなすお店だったはずだと。まんじゅうはおもてなしのツールのひとつだ。しかし今自分達が作っているまんじゅうは地域の役に立っているのか、考え直したそうです。

 

そこで、まんじゅうを作って売る自分視点から脱却し、地域に来訪してもらうための取り組みを始めたそうです。さらに近隣の地域とも連携しエリア来訪してもらうために、地域観光促進事業にかかわったり、観光ガイドを行ったり。

さらには、現在は見る影もなくなったが、かつてその地域には山桜の名所。山桜の植樹活動にも積極的に参画していきます。

 

もちろん会社なので、利益を上げなければいけません。地域観光の活動は、最終的には店の利益につなげていく必要があります。まんじゅう屋さんだけが潤っても、地域は活性化しません。地域も盛り上がり、一緒にまんじゅう屋さんも次の世代、さらにその次の世代まで続けていく必要があります。

 

その会社の理念は、「 伝統を継ぎ、心に身体に地域に良しを提供する」

 

絶対に守らなければいけないこと。それは製法であり200年以上続いている歴史。

しかし作って売ることそのものが伝統ではありません。。時代に合わせて変化するとは、伝統の本質は守り、それ以外を変えていくことだと力強く断言します。

 

そのためにも、エリアで連携して地域を盛り上げていく活動を率先して取り組んでいます。地域あってのまんじゅう屋さん。

 

まさしく、「利他的な支援を行うことが、自己の利得までをも最大化しうる」。

 

伝統と革新、地域経済活性化と利他的な経営。素晴らしい経営者でした。