「お金のいらない国」を読んで。ペイフォワード、恩送りの大切さを実感しました。

【連続投稿504日目】

 

自分が携わっている仕事が、本当にやりたいことなのか考えたことがある。多くの人が一度ならずとも経験があるのではないでしょうか。

 

では、どうするか。シンプルな答えを見つけました。

 

「今やっている仕事が本当に価値があるかどうかを判断する方法は、仮に社会からお金がなくなり、その仕事によって報酬が得られないとしても、自分がその仕事をすべきだと思うかどうかです」(お金のいらない国 長嶋龍人 2003年)。

 

仕事の対価として、お金がもらえなかったとしても今の仕事をしますか?

 

直球で訴えかけるこの本、短編小説で非常に読みやすいです。が、仕事とお金に対する真理を突いていて、大いに考えさせられます。

www.amazon.co.jp

 

お金のいらない国とは、レストランで食べても飲んでも、タダ。美術館やコンサートに行ってもタダ。そんな生活を満喫する主人公。

しかし、ある時気づきます。

「こんなふうに自分が遊んで暮らしていられるのも、皆が働いてくれているからなんだなあ。みんなが私のように遊んでいたら、だ🄬もこんな生活はできないんだ。それに私は今、この社会のために全然、役に立っていない。ちょっと申し訳ないなあ。」

「自分も奉仕されているんだから、何かみんなの役に立てそうなことをしなきゃいけないかな」

 

お金が存在しなくても、今我々が享受できているサービスをそのまま受け取るなら、社会に対する無償の奉仕、何かしら社会に役立ちたい気持ちで人が仕事をしているからこそ成り立ちます。

 

つまりこの主人公は「健全な負債感」を背負った訳です。日常生活すべてで恩を受けたのです。

ここでペイフォワードの考えがでてきますね。受けた恩は返すのではなく、誰かのために恩を送る。つまり誰かの奉仕を享受したなら、自らが誰かのために奉仕する。

 

その時の対価は金銭ではなく社会に役に立つ充実感と満足感。社会の役に立っている喜び。

物質的な豊かさではない、精神的な豊かさ。町中の人に感謝できるこころ。

 

ペイフォワード、恩送りの威力をまざまざと感じる一冊です。