Giveは対象を特定しない。サンタクロースのように。

【連続投稿604日目】

 

「贈与者は名乗ってはならない。贈与は手渡す瞬間には気づかれてはならない。名乗ってしまったら、返礼が可能になり、交換に終わってしまう。あるいは、返礼ができない場合、呪いにかかり、自由を奪われてしまう。」(「世界は贈与でできている」近内悠太著 NEWSPICKSパブリッシング 2020年)。

 

名乗らない贈与者として有名なのはサンタクロース。この存在によって親から贈与された事実が消去されます。鶴の恩返しがばれてはいけないのは、恩返しする人の存在を消す必要があるのと同じことです。

 

Giverは、さりげなく与えることが大事になります。これ見よがしに与えると、相手に「お返ししなければいけない」心理的なプレッシャーを与えることになります。

 

昭和によく見られたTVドラマ。か弱い人を助けた人が、「お名前は?」と聞かれても「名乗るほどのもんじゃねぇ」と言ってかっこよく去っていくシーン。これも今思えばGiveの対象を特定しない、存在を消すことにほかなりません。

 

このさりげないGive。そして、Giveの連鎖。ペイフォワードという言葉に出会えたことは、今年1番の収穫です。