パクスなき世界

【連続投稿640日目】

 

パクスなき世界。

2020年12月21日(月)の日本経済新聞朝刊に「若者の不安 年長者に責任」という記事が掲載されていました。

京都精華大学学長のウスビ・サコ氏。マリに生まれて、中国で学び、日本に留学。建築と社会が専門の博士です。

 

印象深い指摘があります。

 

新型コロナウイルスへの対応で、中国は迅速に対応した。アフリカにマスクなどの物資を大量に送り支援した。中国とアフリカがますます絆が強まり「途上国ブロック」が生まれた。

 

先進国は自ら使うものが途上国から来ている脆弱性が明らかになった。途上国ブロックが出来上がると、先進国が苦しくなる。合理主義の価値観から、人間中心とする価値観に移っていくだろう。

 

目の前の人間、身近な家族、地域を大切にする。コロナで移動が制限され地域の重要性に気づいた人も多い。

 

そしてこう締めくくります。

「54歳の私(=ウスビ・サコ氏)以上の世代は、若い人にとって幸せな世界をつくれなかったことを反省すべきだ。地域間の分断も私たちの時代までのことで、若者は気にしなくていい」

 

途上国ブロックと先進国の対立については、他の方に論を譲るとして、合理主義から人中心の価値観への転換については、全く異論がありません。むしろ多くの方が、この価値観については共有しているのではないでしょうか。

 

2020年、時代は確実に変わりました。もう元には戻りません。戻させません。