【連続投稿911日目】
大学受験は日本史を選択しました。明治時代以降の近現代史、もっと言えば戦後以降70年代くらいまでの歴史が好きだったのが理由です。20年以上前、当時の日本史は、戦後史の取り扱いは少なくせいぜい池田勇人の所得倍増計画くらいまでしか出ませんでした。
今の受験事情はわかりませんが、センター試験を見ているといまだに日本史、世界史と分かれているようですね。
社会人になって、つくづく思うのは、日本史や世界史という歴史は存在しないということです。あくまでも歴史はひとつ。世界の動き抜きに、日本で起きていることを語れるわけではありません。
1543年鉄砲伝来、1549年キリスト教伝来、だけを覚えていては歴史のダイナミックな流れ、全体像は全く把握できません。
近現代になればなるほど、それは顕著で、「それでも日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子著 新潮文庫 2016年)を読むと、よくわかります。断片的だった歴史の出来事が、ひとつの流れとなり、時には静かに、時には濁流となっている様子がよくわかります。
しかし。その流れを作るのはやっぱり人。過去の人との対話こそが、真摯に歴史に向き合う姿なんだと改めて感じられる本です。