【連続投稿919日目】
絶望と希望は表裏一体。それを実感さえてくれる絵本でした。
「ぜつぼうの濁点」(原田宗典作 柚木紗弥郎絵 教育画劇 2006年)
最初に読んだときは、なんと悲しい本なんだろうと思いました。9割を占める絶望状態の描写。落ちるところまで落ちる主人公。本当にこれを絵本のテーマにして良いのか。何度も考えながら読み返しました。
最後結局はハッピーエンドとなります。最後の1ページだけしかないハッピーな描写が、終わった後の世界が人それぞれで感じ方で変わるようにそうしたしかけにしたのかもしれません。
絶望と希望は表裏一体であると言われます。本当にどん底に落ちたからこそ希望が見いだせる。しかし希望を得たからと言って、いつ絶望の淵に立たされるかもしれない。
人間の汚れた部分も垣間見ることができるこの本。この絵本こそ、大人に読んでもらいたい。