【連続投稿1002日目】
圧倒的な現実を目の前にして、言葉が出ない体験をしたのはいつ以来だろう。
昨日、福島第一原子力発電所、通称「イチエフ」を見学しました。アテンドしてくれたのは、経済産業省資源エネルギー庁廃炉汚染水対策参事官の木野正登さん。福島に書ける思いを語っている記事やYouTubeを貼り付けておきます。
http://shiteihaiki.env.go.jp/fukushimamirai/activity/article/pdf/fukushima100_031.pdf
福島駅に集合し、木野さんの車でイチエフへ。同行者は私含めて5名。私以外は皆さん現役の大学生でした。
今年5月に開通したばかりの高速道路とした道を通って、大熊町に入った途端、雰囲気が一変します。いまだに帰宅困難区域となっている場所。否が応にも現実と緊張感が増してきます。
最初のセキュリティチェックを受けて、ここから関係者以外立ち入ることができない原発エリアに入っていきます。
到着した駐車場についた車中で言われたこと。身分証明書と施設内で購入するための小銭、メモ帳以外は一切持ち込み禁止。カメラ、スマホ、口の中に入れる食べ物飲み物類などはすべて車に置いていくとのこと。場所が場所だけに安全保障上テロリストへの情報漏洩に対して徹底しています。
まず入った入退域を管理する場所で、身分証明書、静脈認証、空港であるような金属探知、その後さらに静脈ロックゲートを通ってようやく施設内へ。
ここから、防護服や、マスク、ヘルメットなどを手に取ってまず最初に向かったのは高台。
そこから正面に見渡す1号機から4号機、中央制御室建屋(fukushima50で佐藤浩一がいたところ)。左手には5号機。更に後ろ奥に、緊急対策本部、いわゆる「キンタイ」(fukushima50で渡辺謙がいたところ)。
高台は海抜10M。そこに15Mの津波がきた。5M分水浸しになりました。平穏な海が盛り上がって、押し寄せてくる光景。正直とても想像することができませんでした。
その後は、処理水タンク前へ。1基1億円の処理水タンクが現在1050基。12月9日時点で130万㎥、タンク全体の94%まで使用しています。これ以上増設できるスペースもなく、早期に処理水の海洋放出を行っていく必要があります。
そして、1号機内でどういったことが起きたのか、起きているのかをイメージしてもらうために1号機と構造が同じ5号機の原子炉建屋内を見学させてもらいました。まずは、最上部へ。ここが爆発して、今骨組みだけになっています。
それから防護服に着替えて、ベント作業を行うために弁を開放しようとした場所へ。サプレッションチャンバーの真上。しかしあまりにも線量が高く、弁を解放できずに戻ってくる(映画では石井正則がその役を演じています)まさしくその弁。真っ暗闇の中、こんな狭いところを走ったのか。
デブリ取り出し作業を行う場所にも連れて行ってもらいました。来年から始まるデブリ取り出しの困難さ、気の遠くなるような時間。
最後は、ALPSで処理された処理水の安全性について。実際の処理水を見ながら放射線量を測ってみると、全く反応しない。つまりそれだけ安全だということです。
こちらについては、改めて詳細を書きます。
帰りは、双葉町(こちらも帰宅困難区域)、浪江を通って福島駅へ。
今回だけで終わらせるつもりはありません。ほかにも行きたい場所や、会いたい人がいるので来年は継続的に福島に足を運ぼうと思っています。