米中経済戦争の読み方 後藤康浩様 ご講演

【連続投稿254日目】

 

早稲田大学政治経済学部卒業で、元日本経済新聞論説委員編集委員。現在は 亜細亜大学都市創造学部教授の後藤康浩様のご講演を拝聴しました。

「米中経済戦争で激変するアジアの政治・経済動向」というテーマでした。米ソの冷戦時代と比較し、現在の米中冷戦を論じる洞察の深さと経験と取材に基づいた知識の豊富さに、時間があっという間に過ぎていきました。

 

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印象深かった考察は以下です。

・米中の対立ではなく、三つ巴の感覚を持つこと。それはワシントン、深セン、北京。つまり、アメリカ政治と中国政治、アメリカ政治と中国経済、中国政治と中国経済アメリカと中国の争い、という二項対立ではない。

 

・アジアの成長の鉄則は海岸部が長いこと。今後はベトナムから目が離せない。スマホ輸出国は、中国、香港に次いでベトナム。その点隊は沿海部が短く、今後は衰退していくだろう。

 

・ものづくりはサッカーをイメージするとわかりやすい。商品企画・設計、中盤の生産、フォワードのマーケティング。先進国は中盤の生産をOEMで中国に出してしまった。そのため中国の技術力が飛躍的に向上した。

アメリカは、商品企画・設計、マーケティングをプラットフォーム化し巨大産業とした。それがGAFA。しかし日本はプラットフォーマーにはなれない。

 

米中経済戦争は長期化するだろうとのことです。政治と経済は切っても切り離せません。複眼的に、感情を抜きにして、深い考察をしていかないと、日本の方向性を間違える。示唆に富む講演でした。