「地政学」について

【連続投稿1108日目】

 

ロシアによるウクライナ戦争から1ヶ月以上が経ちました。最近「地政学」に関する書籍や雑誌が売れています。今回「地政学入門」(佐藤優著 角川新書 2021年)を読んでみました。

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地政学は、地理学と政治学があわさったもの。地理的要因が政治にとって決定的な制約要因になる考え方。具体的には海と川は人々を近づけるが、山脈は人々を遠ざける。

ナチスドイツが重要視した学問だったため、第二次世界大戦後は学問の主流から外されることになる。

・これは、資本主義対共産主義イデオロギー対立が国際政治を決定づけるためであり、地理的要因が全く意味をなさなくなったわけではない。

地政学の重要性、特に山脈の恐ろしさを思い知ったのはソ連であり、ロシア。現在の外交政策地政学を重要視している。

地政学のポイントは、地政学は帝国と結びつく。帝国は国民国家を超える。その根っこのところには必ずイデオロギーがある。

・ロシアは、国境を線ではなく、面でとらえる。緩衝地帯を設けようとする。

 

この本は、2021年に出版されていますが、もとは2016年7月に晶文社から出版された「現代の地政学」を改題したものです。そのため6年前の状況で世界を分析しています。それでもロシアの発想を今から考えれば、ウクライナ侵攻の背景が何となくわかります。もちろん背景がわかったとしても、決してその行為は許されるものではありません。

 

海洋国家日本において、中国とうまくいかなくなってきている背景は、中国が海洋進出し始めた背景がある。これアメリカもそう。アメリカも海洋国。

 

地政学は、どうしても地理的要素に重点が置かれてしまっている。その点を佐藤氏は懸念しています。

 

今こそ学んでおきたい学問です。