伝統の文字から考える。

【連続投稿1642日目】

 

伝統。昔から受け継がれてきた有形無形の風習。その精神的な面。

「統」は「糸」と「充」でできています。ここでいう糸は縦糸。織物における軸となるもの。長い糸筋。言うまでもなく縦糸がなければ横糸を通すことができないため布を織ることはできません。縦糸が少なくてもスカスカの布にしかならない。きめ細やかな織物を作るためには経糸がしっかりと満ちていないと駄目なわけです。表面的なものをただ受け継いだものは伝統にはなりません。その本質まで受け継がれるものが伝統。あたかも縦糸が連綿とつながっているようなもの。表面的ではなく、深く、太く何本も束になってつながっているからこそ、大事にしなければいけない。

 

伝統だからと言って前例主義になっては、ただの因習になってしまいます。それは表面をなぞっただけの前例主義。

 

しかし、ただ繋がっているからといって何もしないでいると経年劣化により糸はほつれてしまうし、ほころびが起きてしまう。そのために修復するのが革新になる。

 

昔からやっているその仕事は、前例主義になっていませんか。しっかりと本質を受け継いだものになっていますか?