【連続投稿467日目】
「festina lente(フェスティナ・レンテ)」
ゆっくり、いそげ。を意味するラテン語です。
日本語で言えば「急がば回れ」。
目的地への到着を急ぐのであればあるほど、一歩一歩着実に進んだほうが結果的に近道になる意味ですね。室町時代、東から京都へ向かうには、琵琶湖の水上運送が近道でしたが、比叡山からの吹きおろしが危険のため、遠回りしても陸路で言ったほうがよい、というところからきています。
ローマ帝国初代皇帝、アウグストゥスの座右の銘が冒頭の「フェスティナ・レンテ」だったと言われています(「皇帝伝」スエトニウス)。軍事的な指導者の性急さを嫌ったと言われています。紀元前44年にユリウスカエサルが暗殺されてから紀元後14年に自身が亡くなるまで、カエサルの遺志を継ぎ、高度な政治力で共和制を帝政に転換させたその政治手法は、まさに「フェスティナ・レンテ」そのものを体現していたのでしょう。
このことわざをタイトルにしたのが「ゆっくり、いそげ」(影山知明 大和書房 2015年)。
読書感想は改めて書きますが、コロナで価値観が転換したこれからの経済や社会、ゆっくりいそぐことが、主流になってくる気がしています。