ブスのマーケティング戦略

【連続投稿454日目】


これほど自分自身を自虐的に見つめながら、幸せをつかむためにマーケテイング戦略を駆使した人生をみたことがありません。


久々に痛快なビジネス書を読みました。


「ブスのマーケティング戦略」(田村麻美 文響社 2018年)


ブスの幸せな結婚、ブスの経済的な自立、この2点を戦略的に述べています。


そのために、自分自身の本質を見極め(商品分析)、自分の今いる場所(市場分析)、ライバルの特性(競合分析)をおこなって、ブルーオーシャンのポジション取りを常に心掛けた、涙ぐましい戦略物語です。


シンプルながら、直球の言葉は説得力があります。


自分を商品と考えよう。
目標には期限を設定しよう。
話しかけられやすいブスになろう。
ブス合コンは場数である。
ブスは肩書の数だけ強くなれる。


ブスを「見た目を武器にできない人」と明確に定義しています。「見た目を武器にできる」美人は何もしなければ経年劣化してしまう。しかしブスは、戦略を立てればいずれ幸せをつかむことができますよ。と一貫したメッセージ。
徹底したリアリズムと客観的で冷静な自己分析。そこから導き出されたブルーオーシャンに身を置く処世術。


様々な資格や芸を身につけることで、ブス×○○×○○と掛け合わせれば希少性が生まれる、と主張するページ。
これはまさに、その他大勢から抜け出すための大事なマーケティング戦略です。武器は多いほうが戦いを有利に運べます。
田村さんは勉強にそのパワーを注ぎました(この動機がまた面白いのですが、それは読んでのお楽しみ)。また、一芸を身につけます。結果的に税理士になり「ブス×一芸×税理士」という稀にみるブルーオーシャンを獲得します。

 


最後に言い切ります。

「武器を装備し続ける人柄のいい美人には勝てない」「悲しいかな、過去の栄光があるぶん、ブスより美人のほうが、今現在の自分の商品価値に向き合うのがずっとずっと難しいのだ」


事実を認めてはじめて、行動できる。


自分を知ること。認めること。そして、それを活かすために何をしたらいいか考え、行動すること。


人生を通してマーケティングを体現した田村さん。素晴らしい方です。