塩野七生とローマ人の物語あるいは安室奈美恵

【連続投稿1202日目】

 

ローマ人の物語」を描いた塩野七生が、なぜこれだけの大作を執筆したのか。それは、彼女が敬愛するユリウス・カエサルを描きたかったからだと。そのためには、カエサルが変えようとしたローマがどのように成り立ち、カエサルの時代にどうなっていたのか。カエサル亡き後のローマがどうなっていったのかまで書かないと、カエサルを本当に書いたとは言えないからだ。と答えています。

 

この本を読んだのも同じ思いからです。

安室奈美恵のファンを公言するなら、出身の沖縄アクターズスクールを知る必要がある。そのためには、設立者、マキノ正幸の人生に興味を持ったということです。

 

当然、ここだけには収まらないわけで。安室奈美恵を生んだ沖縄とはどういった場所なのか。知っておいたほうが良いのでしょう。

 

ローマ人の物語」は文庫で15巻。その参考文献たるや膨大な量が巻末に記載されています。それだけ調べて、15巻書いてようやく、カエサルのことが分かった。

 

つまり、安室奈美恵のことが分かった、というためにはそれくらいの背景が必要だということ。

 

安易に「分かった」と言ってはならない、知識の探求には際限がないことを改めて塩野七生は教えてくれるのでした。