教科書を、相手が実行できる内容に翻訳する力

【連続投稿535日目】

 

ある経営者が言いました。「ほかのところからいろいろ提案を受けるんだけど、とてもとてもやりきれない話ばかり。提案してくれるのはうれしいけど、実態に合わないものばかりなんですよ」

 

その提案内容がどういったものかは、あえて聞きませんでしたが、「提案」としての内容であれば、悪くはない、教科書通りの提案なんだろうと思います。

 

提案、ここでは計画に置き換えてもよいでしょう。どんなに素晴らしい内容でも、実行されないと机上の空論で終わってしまいます。

実行してもらって初めてその提案の価値が高まります。そのためにも教科書のセオリーなど関係なく、相手の立場や置かれている状況に応じて内容をアレンジすることが必要だと思います。どんな些細なことでも構いません。行動に移してもらうこと。そして効果を感じてもらうこと。これに尽きます。

 

ある人が、「中小企業の刺激になるように、大企業の導入事例を入れたい」と言ってきた人がいました。

こうした提案程ナンセンスなものはありません。おそらくありたい姿として将来像を示すために大企業の導入事例を示そうとしたのでしょう。しかし、それを聞かされた中小企業の社長は、どんな思いになるでしょうか。「どうせそれは大企業だからできるんだよね」「うちはそこまでお金ないし、そこまでのスペックも必要ないし」と思われるのが関の山です。刺激にすらなりません。

 

何度でも繰り返します。

教科書で学ぶことは、あくまでも机上の理論です。それを翻訳せずに、そのままお伝えしても刺さりもしません。相手の立場に合わせてアレンジする力、これもコンサルの力量だと考えています。