【連続投稿637日目】
知性の象徴としてフクロウを従えて描かれていることが多いローマの女神、知性を司るミネルヴァ。ドイツの哲学者ヘーゲルが「法の哲学」で書いた「ミネルヴァのフクロウは、黄昏に飛び立つ」のフレーズは、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。
この意味は、哲学は未来を予想することはできない。現在から過去の事象を概念化することだそうです。
転じて、人は未来を予測することなどできません。未来予測が当たる唯一の方法は、その未来を実現させることだと様々な偉人が発言していますが、VUCA時代において、未来予測が困難であることは論を待ちません。
フクロウが朝ではなく、なぜ夕暮れに飛び立つのか。
朝飛び立ってもその日一日を予測することができないからです。朝必要なのはその日一日を充実したものにする意志であり、こういういちにちになるであろうと見込むこと。
そして夕暮れに飛び立つフクロウが、その日一日の様子を空から、つまり対極的に振り返る。反省が次の日の軌道修正を行う。これを繰り返すことが豊かな人生を過ごしていくコツになるのかなと思っています。
話は逸れますが、川上未映子と村上春樹の対談「みみずくは黄昏に飛び立つ」。もちろんミネルヴァのフクロウから取ったタイトルですが、川上未映子の村上愛があふれる本です。