インフォーマルパブリックライフとサードプレイス

【連続投稿793日目】

アメリカの社会学者オルデンバーグが、著書『ザ・グレート・グッド・プレイス』(The Great Good Place 1989年)で提唱した、職場でも家庭でもない第三の場所として提唱しました。

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日本語訳でもみすず書房から出版されています。

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この本に出てくるキーワードが、「インフォーマルパブリックライフ」。

インフォーマルパブリックプレイスは都市の一部。パリに豊富なオープンカフェ古代ローマの公共の場、ロンドンの魂 パブ。
こうした場がないと、人は群衆の中での孤独を感じたままである。
 
 
社会のコードから離れて自分らしくふるまえる、街なかにある場。
気軽に行ける、リラックスした雰囲気。朝から晩までどんな時間でも人がいる
誰にでも開かれている。人々がリラックスしている。
 
ヨーロッパには比較的こうした場が至る所にあります。一方アメリカは郊外に家を持ち、インフォーマルパブリックライフまで行くためには車で数十分運転する必要がある。街を歩いていても人はいないのに、ショッピングモールに人が集まる。

ヨーロッパが理想の都市づくりを目指したのに対して、アメリカでは、理想の家づくりを行った。そのためアメリカは職場と家庭の2本足になってしまった。

 

とオルデンバーグは指摘しています。

 

なるほど確かに。そのアメリカの家庭を大事にする働き方の「表面的な部分」だけが切り取られて日本にやってきて、ワークライフバランスという言葉で、仕事を家庭を大切にする働き方が求められるようになったのでしょう。

 

アメリカ人 インフォーマルパブリックライフの欠如がもたらす、負の側面としては、人口当たりの離婚率が世界トップ、長期欠勤、会社負担の医療費、生産性の損失 500億ドルから750億ドルの損失、などを事例にあげています。
ストレスの原因は社会的なものなのに、解決は個人ですべきという方向があるのは、日本も同じでしょう。

 

スターバックスが、第三の場所としてアメリカから生まれたのは必然だったのだろうと思います。

 


サードプレイスは、インフォーマルパブリックライフの一部。つまり都市計画と無縁ではない。

 

地域活性化を考える際に、サードプレイスがひとつのヒントになりますね。