沖縄の中小企業診断士試験中止について私見

【連続投稿1599日目】

 

中小企業診断士1次試験が8月5日、6日に開催されました。今年は別の問題でこの試験が注目を浴びました。それは、台風接近に伴い沖縄地区での受験が中止になったこと。再試験が実施されないとの通達が直前にあったこと。ネット上では沖縄地区の受験生が発信したTwitter、それを支援する人達、試験団体を雛する人たちなど、かなり物議をかもしています。西村経済産業大臣が「再試験が実施できるよう試験を運営する中小企業診断協会に検討を指示した」とTwitterしたことも報じられました。

 

私個人の意見は控えていたのですが、改めてまとめておきます。

2つの観点があります。まずは、個人として。私は合格するまでに3年かかりました。時間とお金を投資して、仕事の合間を縫って早朝、深夜だけでなく、まだ2歳くらいの子供との遊ぶ時間すらも削って土日も勉強しました。試験は年に1回しかありません。そのために払う犠牲は、今から振り返っても多大なものを払いました。

だからこそ、受験生の気持ちは痛いほどわかります。これは実際に試験を受けた人にしかわからない、胸が張り裂けそうな痛みです。何とか救済措置を講じてほしいと、個人的には感じています。

 

もうひとつ、中小企業診断士として。10年中小企業診断士として仕事をして感じるのは、受験生の比較にならないほど中小企業経営者は時間もお金も経営に注ぎ込んでいます。大げさでなく生きるか死ぬかがかかっているからです。それでも遠慮なく襲ってくる震災、台風、極めつけはコロナ禍。経営は一寸先は闇。そんな状況でも知恵を絞って何とか生き抜こうとしています。

また、中小企業診断士受験案内には「地震、台風、水害などのやむを得ない事情により、試験実施が不可能になった場合(一部地域を含む)でも、再試験は実施しません。また、受験の有無にかかわらず当該事由にかかる費用は自己負担となります。」と明記されています。これが補助金申請ならどうでしょう。明記されている以上不採択になってどんなに騒いだところで判定は覆りません。

こうした環境を日々目にして、支援している身としては、今回の措置に対して批判する気にはなれません。

何よりも安全最優先です。生きていれば儲けもの。冷たいようですが。

 

苦しい試験を潜り抜けて、10年経営者と向き合っているものの、率直な感想です。