瀧本哲史氏を偲ぶ。「ミライの授業」に込められた思い

【連続投稿149日目】

 

世界を変える旅は「違和感」からはじまる。

冒険には「地図」が必要だ。

一行の「ルール」が世界を変える。

すべての冒険には「影の主役」がいる。

ミライは「逆風」の向こうにある。

 

この5つは、「ミライの授業」に記されている、「未来を作る5つの法則」です。著者は京都大学客員准教授の瀧本哲史氏。「僕は君たちに武器を配りたい」で有名ですが、先日47歳の若さで病死しました。

 

瀧本准教授が、14歳に向けて未来をどのように生きていけばよいか、授業風に書いた本が「ミライの授業」です。

 

冒頭、「きみたちは未来の住人であり、大人たちは過去の住人なのだ」と大人にとっては衝撃的な文言から始まります。そして、14歳に向かって、「みなさんが世界を変えようとするとき、自分の夢をかなえようとするとき、周囲の大人たちが応援してくれると思ったら大間違いです。大人たちが応援するのは、自分の地位を脅かさない若者だけ。つまり世界を変えない若者だけです」と明言します。

逆風が吹き荒れても、周囲の大人たちが反対してもくじけてはいけない。だからこそ未来は「逆風の向こう側」に待っていると説きます。

 

しかし、大人たちに向かっても救いの言葉を最後に載せています。

「誰もがかつては14歳だった。自分の可能性をあきらめ、愚痴や不満ばかりこぼしている大人たちも、かつては14歳だった。(中略)大人たちにこの本を贈りたい。」「たとえ何歳であろうと、未来をあきらめることは許されない」「14歳だった大人たちには、知識がある。経験がある。もう一度人生を学びなおすだけの、時間も残されている」

瀧本准教授が、もっとも言いたかったことはこの部分でしょう。

 

この本は、かつて14歳だった大人たちへの遺言なのです。