誤配と遅配。場面が異なると意味が全く変わります。


【連続投稿587日目】

誤配と遅配。

読んで字のごとく、誤配は郵便物や宅配の品物を誤って違う所に配達すること。

遅配は、配達が約束された期日より遅れること。

 

人口に膾炙されたことばですが、文学的な文脈で全く違う使い方を耳にしました。

 

本来届けたい人ではなく、全く違う人に届けようと意図的に書くこと。能動的誤配と言えるかもしれません。この手法を得意としているのが村上春樹 。意図的に誤配をしているそうです。そこまで断定的に言い切れる知見を、私は持ち得ていません。高度な読み方をすれば、誤配しているようです。

 

もしくは、本来届けたい読者ではなく、全く別の読者におススメす ること。この人は普段こういう本を読んでいるけど、全く違うジャンルの本をおススメする。そして新しい視野を広げてもらいたい。これも能動的誤配だと思います。

 

では、遅配はなにか。

今の時代にマッチングした古い本を掘り起こし、積極的に紹介すること。

2017年に漫画で発売された「君たちはどう生きるか」。もとは 1937年に発刊された吉野源三郎の児童向け長編小説。漫画から火が付き、文庫本も売れました。


発売当初は人気が出なかったのに、その後の時代背景が本の内容と マッチングしたら一気に注目を集める
事例は枚挙にいとまがありませんね。

ネガティブなイメージの誤配、遅配ですが、ポジティブにとらえる場面もある言葉のお話しでした。