お茶の世界に触れて、癒された。

【連続投稿426日目】

 

zoom越しの茶室に飾ってあった掛け軸「古今無二路(ここんにろなし)」。
 
様々な考え方、たくさんの人間がいるが、自分が進む道は一つだけ、といった意味です。
 
「世界中がウィルスで戸惑っている。国同士の政治的な力も見え隠れする状況において、我々ができることは、心と体が健やかであること。どんな時代の人も、心と体が健やかで天寿を全うすることを願っていたはず。そうした思いを込めてこの掛け軸を選びました。」
 
お茶をたててくれた水上繭子さんが、解説してくれました。
 
昨日は、サードプレイス・ラボが主催する定例会「オンラインで茶道体験~心穏やかに過ごす~」に参加しました。
 
オンラインで茶道体験?
 
正直どんな内容になるのか、不安半分、楽しみ半分でした。
zoomは打ち合わせやセミナー、最近では同窓会、オンライン飲み会など頻繁に参加していますが、茶道については全く初めて。
 
それでも参加したのは理由があります。
 
それは、一言「心穏やかな気分になりたいから」
 
連日後ろ向きなニュースばかりで食傷気味になっていました。自粛生活で貯まったストレスを少しでも解消したいから、という思いがあったからです。
 
良い意味で、見事に裏切られました。
 
全員ミュートにした中で、ただ一人、水上さんが点てるお茶。衣擦れ、柄杓と釜、茶筅
が奏でる音の数々。全く無駄のない所作。
 
こんなにもzoomの画面に魅入ってしまったのは、初めてでした。
 
そして、zoomでこんなにも癒されたのも、初めてでした。
 
水上さんが発する言葉も核心をついていました。
 
千利休を始祖とする茶道が、時代の波に翻弄されながらも脈々と現代までつながっている歴史に感銘を受けます。すべては今の自分につながっている。」
 
「お茶の先生から言われました。お茶以外でも、生き方が見られていると思って精進するようにと。お茶をやっている人が魅力的でないと、お茶の世界を人に広めることはできないよと。」
「その方と仕事をしたい、仕事を頼みたいと思ってもらうためには、伝える人の魅力、愛、情熱が大事になるのではないでしょうか」
 
お茶の世界の深さに感銘するととともに、静寂の中での音のすばらしさ、所作の美しさに癒された時間でした。 

人工知能に哲学を教えたらどうなるか。

【連続投稿425日目】

 

はたして、人工知能は哲学を理解できるのか。

 

今、こちらの本を読んでいます。「人工知能に哲学を教えたら」。

https://www.amazon.co.jp/人工知能に哲学を教えたら-SB新書-岡本-裕一朗/dp/4797392614

 

各章とも思考実験の形で話が進んでいきます。

著者は、哲学者の岡本裕一朗氏。

 

物事を考えるとき、哲学は有用だと思っています。一歩身を引いて「そもそもそれはどういうことなのか」「我々はどのようにふるまったらよいのか」の視点でじっくりと考えることができます。変化が激しい時代だからこそ、本質を見つめなおすために哲学はその重要性を増していくと思っています。

 

そこで、本書。

AIと哲学という、一見して相反するものに対して融合させることが可能か。思考実験していきます。

本書の中には有名なトロッコ問題が出てきて、果たしてそれを人工知能はどう解釈するのか、論述しています。

 

コロナ時代を生きる我々が、じっくりと物事を考えるための実験の場として、哲学や本書を利用してみるのもひとつの手だと思います。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

経験が罠となる、言葉の定義。

【連続投稿424日目】

 

「言葉の意味は、自分の経験で定義が勝手に決まってしまっていませんでしょうか。経験を積めば積むほど罠があると思っています。」

 

先日お話しした、とある方がおっしゃっていました。自分がこうだ、と思って発した言葉も、他の人の視点で考えたら別の捉え方がある。そこに誤解が生まれる。争いが起きてしまう。そんな経験を踏まえての発言でした。

 

私も言葉の解釈には気を使います。悩みを聞く場合、言葉を分解することで本質に迫れることが多々あります。

 

クリティカルシンキングに近いのかもしれません。

なぜ、どうして、だれが、どのように、いつ、どこで?

過不足はないか?なくせないか、一緒にできないか。順番を逆にしたらどうか。簡単にしたらどうか?

 

こうした思考をもとに言葉を因数分解していくことで、見えてくるものがあります。

 

自分が発するときも、同じように要素を明確にすることで、相手の理解を迅速に行うことができます。

しかし。これが本当に難しい。

だから、冒頭の言葉はその気持ちが本当によくわかりました。

 

人は変われるのか。変われないのか。「麒麟が来る」をみて考えてみた。

【連続投稿423日目】

 

人は変われる。

人は変われない。

 

人は変われるのか、と聞いたとき、上記の回答はどれくらいの比率になりそうでしょうか?半々なのか、7:3なのか(どちらが7かはわかりませんが)。ちょっと想像がつかないのが本音です。

 

おそらく枕詞をつけないと難しいですよね。例えば、性格や考え方は変わるのか?行動は変われるか?過去の成功体験を捨ててまで変われるのか?経験の量が多い人ほど変われないのか?

 

そもそも変わらなければいけない動機は何か?どのように変わらなければいけないのか?

 

昨日の大河ドラマ麒麟が来る」で、明智光秀が越前朝倉義景にかくまってもらうこととなりました。朝倉義景は平和に暮らしたい、争いごとに巻き込まれたくない、と明智光秀に言います。

このシーンを見ながら、冒頭のことを考えてみました。

「変わりたくないと思えば、変わらない」

「深層心理で、少しでも変わりたいと思っているなら、変われる」

 

そんな気がします。

 

あとは、外部要因としての環境が作用してきますね。変わりたくても環境が許さないのであれば、変えられない。であれば、その環境を少しでも良い方向に持っていける周りのサポートがあれば、変われる。

だから、少しでも良い方向にもっていくためにサポートをしたいと思っています。

 

追記:もちろん、変わる、変わらないどちらが良くてどちらが悪いということではありません。状況によります。変えてはいけないものもあります。そこは大前提として考えています。

福島からコロナの差別について考えた。

【連続投稿422日目】

 

「震災後の復興イベントで福島の農産物を販売していた時、放射線まみれの物を売って責任がとれるのか!」

 

伝説のバラエティ番組「電波少年」で懸賞生活芸人として一躍有名になったなすびさん。

なすびさんが、福島のご自宅から参加するオンラインイベント「なすびの実家さ、遊びにこらっせ!」に参加しました。

ja.wikipedia.org

 

震災後は、福島を元気づけたい、笑顔を増やしたい、その思いで活動されているとのことです。

日々の活動はそのための手段。

 

2013年から足掛け3年、4度の挑戦で成功したエベレスト登山。頂上に立った時、酸素マスクを外して福島へエールを送りました。ガイドからは体力を消耗するので絶対にマスクは外さないよう言われていたそうですが、どうしても想いを伝えたくて、外してコメントしてしまったそうです。

エベレスト登山でさえも福島を盛り上げるための手段と、言い切ってしまうほどに福島愛を深く感じました。

 

話題が、コロナになった人や、医療従事者への差別問題になったとき。震災後、ご自身が体験したエピソードを紹介してから「差別は良くないよ。われわれは東日本大震災原発事故で差別を受けた人が多いんだから。」

福島の実体験から、現在の差別について語る口調は、淡々としながらも重かったです。

 

温かい人柄に、個人的に大ファンになりました。

ダイバーシティとインクルージョン

【連続投稿421日目】

 

D&I。

ダイバーシティ アンド インクルージョンの略です。

組織の中でダイバーシティ(Diversity)によって多様性を高めるだけでなく、そこに属する人が個人として尊重されながら、構成員の一人としてその違いを活かし、力が発揮できるように積極的に環境整備や働きかけを行っていこうという考え方を示すものです。自分の力を発揮できる個人が増えることで、組織としても活力を高めていくことを目指すものです。

 

昨日はオンラインセミナー「ダイバーシティ推進のその先 インクルーシブな組織とは」に参加しました。

 

そもそもダイバーシティには2つあります。

目に見えるもの:外見・性別・人種・国籍・年齢・働き方等

目に見えないもの:経験、育った環境・文化・宗教・学歴等

 

そして、インクルージョンとは、以下です。

一員であるという所属感 belongingness
違うことも認められる  uniqueness
 
こうした状態を阻害するのがアンコンシャスバイアスです。
1.無意識の大前提
  自動改札や自動販売機は右利きの方向けに設計されている。
  カップル割引と聞いたら、男女のカップルだと思い込む。
2.マジョリティの特権への無自覚性
  ある組織で、異動してきた人に対して、従来からその部署にいた人の
  無意識な優越的対応
3.マイクロアグレッション
  一見無害だと思われるが、不和をもたらす発言。
  男性の看護師に対して、「なかなか男性看護師なんていないわよね。」
 
インクルードされた組織や集団とは、相手がインクルードされていると感じているかどうか。そのためには、フィードバックと、それを受け入れるオープンさが必要です。
謙虚さ、素直さが求められます。
 
会議などで、ほとんど発言しない部員がいたとします。なんであいつはいつも発言しないんだ?と考えがちですが、インクルーシブを目指すなら、「何が、あのメンバーに発言させなくさせているだろう」と考えることが大切です。無意識にでも相手に疎外感を感じさせている可能性があります。発言しない相手を責めるのではなく、そうした雰囲気を作っている(かもしれない)マジョリティ側に問題がないかを検証していくことが必要です。
相手に安心、安全な場所を作ること。ここではみんなフラットだから何を言ってもいいんだよという場づくりの重要性を改めて学びました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

天は自ら助くるものを助く、の意味に違和感を感じた件

【連続投稿420日目】


ふと、小学校の卒業アルバムを開いてみました。

そこに校長先生からの送る言葉として
「天は自ら助くる者を助く」

と書かれていました。その校長先生が小学校を卒業した40数年前に当時の先生から同じ言葉を送られたそうです。今から考えると70年近く前になりますね。


小学校を卒業してから、数知れずアルバムをめくり、この言葉を見てきました。正直あまり響くことは
なく、こんな言葉もあるんだな、程度でした。


改めて意味を書きます。
「人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け幸福をもたらすこと。」


「自助論」(サミュエル・スマイルズ)では、この言葉を基本として人生を説いています。


自助論では、外部からの援助は人を弱くする。自分が自分の最良の援助者になるべきだ、と説いています。


自分の幸福や成功についての責任は、自分自身がとるというのはわかります。しかしその途中過程まで人に
頼らず自らの力で・・・というのが本当に良いのでしょうか。


チャンスの神様は前髪しかありません。その神様が通り過ぎてからでは遅い。
もっと言えば、チャンスの神様が通る場所を探して、あらかじめ準備している人の前に
神様は通ってくると思っています。


棚から牡丹餅。牡丹餅が落ちる場所に自分がいるからこそ、落ちてきた餅を捕まえることができる。


こうして考えたら、チャンスをものにできるかどうかは自らの努力次第、とも言えます。


しかし、その場所にいるために様々な形で人から助言を求められたり、人に助けを乞うこともあるでしょう。人に頼らず、自分一人でということは難しいのではないでしょうか。


特に今では、SNSで簡単に情報を入手することができる時代。SDGsゴール17でもパートナーシップを謳っています。ましてやスピードが重視される時代、人に頼らず悩んでい時間を費やしている間に環境はどんどん変化していきます。


「人に頼り、人とつながる努力をするものには、天が助け幸福をもたらす」


私はこう解釈したいです。