無駄と思えることに価値がある。

【連続投稿927日目】

 

「ムダに思えることが実は大切なことがある。効率だけを追求するなら家で仕事も、サードプレイスも完結すればいい。しかしそれでは人間がダメになってしまう。生身の人と人とのふれあいから生み出されるものがある。」

 

「カフェから時代は創られる」がリニューアル発刊から1年を記念して、昨日著者の飯田美樹さんとクルミコーヒー店主影山知明さんによるトークショーが開催されました。

 

冒頭の言葉は、飯田さんが途中でおっしゃった内容です。昨年オンラインを導入し、ほぼすべてオンラインで対応していたら体調を崩してしまった。無理して銀座の街を歩いたり、リアルに人と出会ったりすることで快復した。その実体験から語られた内容でした。

 

ムダに思えても、大切なこと。これは「モモ」にも描かれています。

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効率を追求するだけでは、人は壊れてしまう。ムダなものが潤滑油となる。しかしコロナ禍では、その無駄なモノが狙い撃ちされてしまった。

 

カフェと言っても、パリのカフェでは終日ワインが提供されているそうです。いくらフランス人でもお酒の力を借りることで、会話の潤滑油にしている。

そうして会話が盛り上がる。

 

こうした場所の重要性を、しっかりと語ってくれているこの本。ぜひおすすめです。

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データと感情。どっちが優先される?

【連続投稿926日目】

 

データで論破しても、相手に本当に勝ったとは言えない。人は感情の生き物。

 

感情論が優先されて、データが置いてきぼりになってしまい、不安だけを煽ろうとする状況は、コロナ禍だけでなくよくみられることです。

 

ただ、逆に、人の感情を無視してデータ論だけですべてを判断し相手を論破しようとする人もいます。

 

どちらがいいという二者択一論ではありません。

 

一番よくないのは、現場を見ないで机上のデータだけですべてを分かったつもりになってしまうこと。感情論で動いている人を、見下してしまうこと。

 

どうも二者択一の議論になると、最近は議論が先鋭化する傾向にあります。

 

真っ白なホワイトボードを頭にイメージして事実は事実として受け止める。ありのままを受け止める思考が必要なんだと感じています。

 

ただ、原理主義的にどうしても会話がかみ合わない人がいる(データ至上主義、感情至上主義)ことも理解しておく必要はあります。

 

 

あと3か月、バックキャスティングから考える

【連続投稿925日目】

 

1日遅れですが、今年も残り3か月となりました。まだ3か月あるか、もう3か月しかないか。捉え方は人それぞれだと思います。ただ何事もなければ、12月31日はやってきます。

発想を変えてみて、12月31日、どんな状態で迎えたいでしょうか?その状態になっているとき、どんな気持ちになっていますか?その状態を100としたら、今はどれくらいの状態でしょうか?今到達している状態はどういった内容でしょうか?それをもう+10進めるとしたら、具体的に何をしていきますか?

 

こうやって、未来からバックキャスティングすると3ヶ月の時間を有効に活用することができます。少しでも、理想の状態で1年を終えるために、行動につなげることができます。

 

時間は待ってくれません。答えは自らの頭の中にあります。

壁の前で立ち止まるか乗り越えるか、それが問題だ。

【連続投稿924日目】

 

高いところから低い場所へ流れる水のように、一度「易き」に流れるとなかなか元に戻らなくなってしまうこと、ありませんか?

 

ようは、人間、楽なことを覚えてしまうと、元には戻りたがらない。

 

新しいものを生み出そうとするクリエーターやヒット曲を連発する作曲家も、何度もそうした壁にぶつかり、過去の焼き直しや似たようなものを作ったりなんかもしたことがある、なんて話を聞きました。

 

それでも、その壁を乗り越え、さらに精進していく姿を人はプロと呼ぶのでしょう。

 

壁にぶつかったら、ぶつかった自分を楽しむこと。

壁の向こうにどれだけ素晴らしい景色が広がっているか、想像してみること。

壁を乗り越えようとせず、壁の周りを探索してみること。

 

壁の前で諦めてそこをゴールとしてしまうとどんなに楽か、何度も思ったことがあります。でも、何とか乗り越えられたのは、きっとその先にもっと成長した自分の姿を想像できたから。

 

楽ではなく「楽しい」ほうに考えたいですね。

本を読みたくないな、と思った時の本の読み方

【連続投稿923日目】

 

読書好きにとって、本が読めなくなることの辛さ、分かる人にはわかるかと思います。

 

ページを読んでも、頭に入ってこない。活字を読むのがおっくう。そもそも読みたい本がない。

 

こんな時、自分がやっている対処法は3つです。

 

1つめ。

これはシンプルですが、本を読まない。本から距離を取る。きっとこういう時期は、本を読むべき時期ではないと割り切る。本とは対極にあるテレビなどを見て気分転換する。いずれ本が読みたくなる時期は必ず来ます。

 

2つめ。

昔読んで面白かった本を再読する。絵本やマンガ、雑誌など気軽に読めるものを読む。

ハードルを下げることで、本から離れない習慣を持つ。

 

3つめ。

目次と著者プロフィール、「はじめに」「おわりに」を見て、興味がありそうなページだけ見る。

本にもよりますが、特にビジネス書は一字一句読むものではありません。主要なポイントだけを抑えればそれでよい。

 

思い切って本を読まない。興味があるものだけを読む。読みたい部分だけを読む。

 

こうした工夫をすればよいのかなと思います。

 

 

 

 

 

哲学こそ必須科目にしたほうが良い

【連続投稿922日目】

 

哲学こそ必須科目にしたほうが良いと常々思っています。ビジネスパーソンならなおささら身につけたほうが良い。理由は3つあります。

 

(1)哲学はクリティカルシンキングである。

ビジネスマンが身につけるべき思考法のひとつに、クリティカルシンキングがあります。批判的思考と訳されますが批判することが目的ではありません。物事の前提条件を検証し、その事象の本質を見極めることです。よく健全な批判と言われるゆえんです。

哲学は、世界はどのように成り立っているのか。我々人間はどのように生きていけばよいのか、を問い論考する学問です。物事の前提を疑い、本質をあぶりだすためには健全な批判が必須となります。そのため、哲学を学ぶことは、クリティカルシンキングを学ぶことにつながっていきます。

 

(2)哲学はなぜなぜ分析である。

トヨタ生産方式を構成する代表的な改善手段に、なぜなぜ分析があります。問題が発生した際に、対策を立案するため要因はなにか、「なぜ」を繰り返していく方法です。5回なぜを繰り返せば真因にたどり着くと言われています。

哲学も同じです。なぜこれをやっているのだろう。なぜ人はこのように考えるのだろう。と洞察していくことで、日頃何気なく行動している「当たり前」を疑い、その根源的な意味をなぜなぜなぜ・・・と考えていくプロセスだと思っています。

 

(3)哲学は生き方そのものである。

物事を整理するために「過去・現在・将来」の視点で考えることがありますよね。このフレームワークで考えるとき、どうしても思い出してしまう絵画があります。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」。フランスの画家ポール・ゴーギャンの有名な1枚です。薄暗い青をベースとして全体的なトーンが暗く、退廃的な印象すらも受けるため、絵そのものにそれほど惹かれるわけではありません。ただ、タイトルは秀逸だと思っています。

また、鉄血宰相と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルクの言葉、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、他人の過去から、現在の自分の生き方と将来の方向を考えること。ここにも、過去・現在・将来の連続性を考える必要性が謳われています。

もうひとつ、コロナ禍の不条理の環境において、人は自らができることは何かを考えて行動していく。まさに「一隅を照らす」。こうした生き方が我々ひとりひとりに求められているのです。

その意味において、哲学は先人が様々な困難にぶち当たった際に、もがき苦しみながら心理を追求し、昇華させて歴史の評価にさらされながら凝固されたものです。心配や不安が尽きない混迷した状況下では、先人の知恵が詰まった哲学にこそ、その解があるといっても過言ではありません。

 

早く遠くへ行きたいなら

【連続投稿921日目】

 

「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」

 

先日聞いたアフリカのことわざです。日々の生活の実体験を凝縮した内容ですね。異論は全くありませんし、はるか遠い目標を達成させるためなら、1人では難しい。協力者を得ることが必要だと示唆しています。

 

最近の私の行動から考えると、もう少し分解できるのかなと思います。

 

「近くへ行きたいならひとりで行け。早く遠くへ行きたいなら馬車に乗れ」

 

無駄な時間は使いたくない。でも大きな目標を達成させたい。人の力を借りることでよりスピーディに行動するなら、こんなことわざに変わるかもしれません。

 

もちろん、原型を否定するつもりはありません。

ただ、自分の環境に合わせて、一般化された言葉をアレンジしてみることは大切だと思っています。

 

これはビジネスでも必要なスキルです。具体的なことを一般化する。一般化されたものを別の場所で具体化する。具体化と一般化を行き来する訓練は、日々行いたいものですね。