経営改善の5Sについて(その1)

【連続投稿19日目】

 

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は、ありたい姿を達成するための手段である。改善の基本としてその効果も十分に認められており、素晴らしい手法であることは間違いない。

 

一方で、生産現場中心の改善手法と考えられている傾向があることも否めない。「5Sはもういいから、もっとレベルの高い改善を行いたい」「5Sは製造業でしょ。うちには関係ない」と話す経営者が少なくない。

 

しかし、視点を変えて5Sを定義し直すと企業経営に応用できることが分かる。では、経営者から見た5Sとはどういったものだろうか。

 

まず経営者にとって5Sは、企業の持続的成長を実現するために課題解決する手段にほかならない。課題とはありたい姿と現状とのギャップである。現状置かれている状況と経営者が考えている望ましい状態、期待される状態、目標等との間には当然ギャップが生じる。このありたい姿というのは、置かれている立場や役職によっても変わってくる。

 

経営者にとってのありたい姿は、経営理念やビジョン、中長期的な方向性、経営計画が達成された姿だ。そのありたい姿を実現するために、5Sは強力な道具なのである。

(つづく)