オンラインとリアル 二項対立の議論は危険です。

【連続投稿461日目】

 

コロナで働き方が変わった、と言われます。

テレワークが急速に広まった結果、今までの通勤時間は何だったんだ?このままテレワークを続けたい。こうした議論が聞こえてきます。

 

一方、テレワークができない環境に置かれている人が相当数いることも事実です。それはITツールだったり、仕事そのものが家に持ち帰れないものだったり。

 

昨日、コロナにより働き方が変わった人たちの意見交換を行いました。zoomを使って行ったその場に集まる人は、ほぼ間違いなくテレワーク積極推進派。「働き方が変わった」命題を、当然のように「良いほうに変わった」と解釈した前提で議論をしていました。

 

しかしこの議論は危険です。

ひとつは、二項対立で議論すべきことではない点。働き方が変わったイコール悪いほうに変わった方もいるはずです。従来の働き方全てが否定されるわけでもない。既存と今回の働き方の良いとこどりをしたい人もいるでしょう。二項対立で、これからはテレワークだ、今までの働き方は古い、と極論に走って本当にいいのか、立ち止まって冷静に議論をするべきではないでしょうか。

もう一つ。これはSDGsの「誰一人取り残さない」理念に沿っているのか。二項対立では残される人が必ず存在します。それは多数決で決まったことには従うこととは全く別議論です。ひとりひとりがその人の生活スタイルに合わせた働き方を選択できる制度やインフラ環境の整備が必要ではないでしょうか。

 

出口治明さんがおっしゃっていました。

「オンラインとリアルの議論がかまびすしいが、オンラインとリアルは今に始まったものではない。電話が発明された時から存在しているではないか。どちらが良い悪い、どちらに流れていく、ということではなくうまく両立していくことが大事だ」

 

冷静沈着に指摘した一言。我々もいったん冷静になって考えたほうが良いですよね。