初めて詩集を読んでみた。「誰も気づかなかった」長田弘。

【連続投稿527日目】

 

初めて詩集を読みました。

 

「誰も気づかなかった」(長田弘 みすず書房 2020年)。

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今まで詩集は敬遠していました。余白が多い。読んだ感覚がしない。そもそもわからない。

 

昔国語の時間で、詩の授業があり、みんなで音読したり、解釈について学んだりしました。その授業が本当に面白くなくて苦手意識が植え付けられたままでした。

 

それから長い読書人生の中で、詩集は一番遠い存在でした。食わず嫌いですね。

 

今回、読書会の課題図書が詩集と聞いて、意を決して読むことになったのです。

 

最初の感想。

やはり、余白が多い。刺さらない。あっという間に読み終わった。

これでどうやって読書会で議論すればいいんだろう。

 

その後何度も読み返していくうちに、詩のひとつひとつ、一文字一文字が自分に問いかけてくる感覚を持つようになりました。

そして、余白にも何か字が書いてあるような、著者の思いが込められているような、何かが浮き上がりそうな気がしました。

 

読書する際に、気になった文章には線を引いたり、メモ書きしています。

しかし詩集を読んでも、メモ書きできませんでした。余白と最小限の言葉で紡がれた世界観を、ペンで汚してはいけない。そこに異物が入ることで詩の世界観が壊れてしまうように感じたからです。

 

こうした読書体験は初めてでした。

 

国語の授業と違って、詩の解釈は無限です。たった数行、数文字を入り口にして、その奥には言葉の宇宙が広がっています。

 

今まで食わず嫌いだったことを後悔しました。