おかえりモネのセリフから考える「寄り添う」本質

【連続投稿813日目】

 

「戻れるとかよく簡単に言えるよね。わかんないからか、お姉ちゃん、津波見てないもんね」

 

NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」。

www.nhk.or.jp

 

6月11日(金)の放送回で、主人公のモネが、妹の未知から言われるセリフ。

 

モネは、2011年3月11日、仙台にいて被災しました。妹は気仙沼の島にいて津波の様子を目の当たりにし、しかも避難をあきらめた祖母が亡くなる状況に直面しています。

 

同じ震災の被災者。しかしどこで被災したか。それによってその後の考え方、捉え方はまるで違います。震災に関しては過去何度も書いていますのでそちらもご参照ください。 

eitaroh7407.hatenablog.com

 

 

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 福島県内では、原発が大きく報道されましたが、南相馬では津波の被害もありました。

福島市内がある中通りと、海沿いの浜通りではその後の震災に対する感覚がやはり相当違うという話を聞きました。

 

直接的に津波原発の被害、その場での被災状況を知らない人が復興支援をする際、「寄り添って」などと安易な言葉を使う場面を見かけます。しかしこの「寄り添う」ってなんでしょう?

 

相手の気持ちに共感して心を寄せること。この「共感」がキーワードだと思っています。そして共感するためには相手の話を聞くこと。とことん聞くこと。

 

話を聞いて、共感することで、初めて心を寄せることができます。

 

話を聞かずに、押しつけのことばかり行っても、それは寄り添うことにはなりません。

いくらそれが善意からくる励ましだったとしても。

 

津波を見ていないからわからないよね」

 

妹、未知のセリフには、寄り添う本質って何か、復興支援に携わる者に鋭く問いかけているようで、画面から離れられませんでした。